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【寿命20万年】センネンマンネンゴキブリの生命力に迫る

 本日も、りけいのりからお届けします。

 

今回の記事をお読みになる前に、こちらをご覧ください。

rek2science.hatenablog.com

 以上の了承のもとに、お楽しみください。

 

 

はじめに、本記事の注意点です。

虫、特にゴキブリの苦手な方はご注意ください。

この記事は、ゴキブリを学び、崇拝する記事です。

 

ご了承ください。

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つい先日、こんなニュースが世間を賑わせました。

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読者の皆さんは、センネンマンネンゴキブリ、という言葉を耳にしたことがありますか? 私は、お恥ずかしい話、全くありませんでした。そこで、調べていく内に、このニュースが歴史的大発見であること、センネンマンネンゴキブリがものすごい生物であることを知りました。

 

そこで、本記事では、センネンマンネンゴキブリに焦点を当て、その生態から魅力に至るまで、余すところなくお話できればと思います!!

 

まずはじめに、センネンマンネンゴキブリの基本的なデータです。

センネンマンネンゴキブリの生態

センネンマンネンゴキブリの外観と特徴は次の通りです。

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外見は、非常にグロテスクなゴキブリです。本当に生き物なのか、と思うくらいに。そして、驚くべきはその体重。モルモットと同程度の体重です。なぜここまで重いのか、ということについては後ほど説明いたします。

 

目を引くのは、ゴキブリの胸部に存在する淡赤色の斑点。この器官は、マルジュ器官といい、非常に様々な機能を備えており、現在までに以下の機能が報告されています。

  • ピット器官: 周囲の温度を察知し、周囲の三次元的な情報を得る。
  • 大気中酸素の選択的取り込み: 体内における血中酸素分圧は、酸素が高濃度に存在した石炭紀と同水準に保たれる。
  • フェロモン分泌腺: 現在確認されているのは、1匹のセンチマンネンゴキブリのみであるため、この機能は利用されていない。過去には、他の固体とのコミュニケーションのためフェロモンを活用していたと考えられている。

 

続いて、10円玉との体調の比較です。

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このように、かなり大きなサイズのゴキブリであることが分かります。ヨロイモグラゴキブリと同程度の体調です。現在見つかっている固体は動きが極めて遅く、生命維持機能のみが活発です。

 

一方で、センネンマンネンゴキブリの足の一部を分析した結果、アクチンフィラメントおよびミオシンフィラメント密度が非常に大きく、またミオシン中ATPaseの密度も大きいことが明らかとなりました(発見時に、自切した足がサンプルとして供されました)。

 

このことは、本来の成育環境 (センネンマンネンゴキブリが反映した時代) において非常に活発な運動をしていたことを示しています。つまり、発見されたセンネンマンネンゴキブリが見せる姿は、省エネモードということです。これは、現在の大気中酸素濃度が薄く、マルジュ器官による酸素の選択的取り込みに時間を要することが原因ではないかと、考えられています。

 

 

生命か否か

このセンネンマンネンゴキブリ。凄まじいのはその生命力です。

なんと、20万年前の地層中から休眠状態であるセンチマンネンゴキブリが発見されたのです。地層には、非常に大きな圧力がかかっていることから、センチマンネンゴキブリの外骨格における力学的強度は計り知れません。そして20万年という歳月を生き延びる省エネルギー生命維持も特筆事項です。

 

これにより、一個体の生命としては、最長寿の生き物であるという記録が樹立されました。現在、長寿として知られる生き物は次の通りです1)

 

  • ミル貝:160年以上
  • ホッキョククジラ:200年以上
  • アイスランド貝:507年
  • 海綿:1550年以上

 

他にも、ベニクラゲやロブスターなど、寿命を定義できない生物も存在します。

 

センネンマンネンゴキブリは、上記生物と比較しても、その存在感を強烈にはなっています。では、このような長寿の理由、そして体重の重い理由について同時に答えます。

 

センネンマンネンゴキブリに関する研究

センネンマンネンゴキブリの体重が重く、また長寿であり、地層中でも生き続けられる理由。それは、センネンマンネンゴキブリが...

だからです。これは、研究者を非常に驚かせました。

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このように、原子力発電にて用いられる典型的な原子核反応が、センネンマンネンゴキブリの核貯蔵嚢にて行われています。ここでの反応は、1つの中性子から2つの中性子を生じます。しかし、反応の暴走が起こらないように、中性子捕捉剤としての水が適量存在します。

 

このように、センネンマンネンゴキブリの体内には、まさにスモールスケールの原子炉が存在するのです。そして、そこで発生したエネルギーは、ATPの生成に共役されることで、代謝に利用されます。

 

人間ですら、原子核反応の制御には苦労するのに、

自然の知性には感服します。

 

以上のような知見を利用して、バイオミメティクス研究が行われようとしています。特に、北東大学はセンネンマンネンゴキブリ発電利用研究チームを立ち上げ、世界に先駆けて研究をスタートしています。

 

ゴキブリがエネルギー問題を解決する時代も、目前に迫っています。

おわりに

今回の記事では、センネンマンネンゴキブリに関する情報をお届けしました。はじめにその名前を耳にしたとき、一度疑ってしまった自分を恥ずかしく思います。

 

センネンマンネンゴキブリ、万歳。

参考文献

1) 今週の長寿な生き物まとめ, 2016.09.18, Access: 20200910.

liginc.co.jp

 

※本記事の内容は、実在の人物や団体などとは関係ありません。ご了承ください。

※センネンマンネンゴキブリは架空の生物です。